取り組み概要
当社が開発・提供する災害写真情報サービス「ビューちゃんねる(防災DX)」において、自社開発の画像認識モデルを AWS の生成 AI サービス「Amazon Bedrock」に置き換えました。
従来は学習データの収集やモデルの繰り返し学習に多大な工数がかかっていましたが、Amazon Bedrock の導入により、冠水判定の精度を約 45 % 向上させながら開発・運用コストを年間約 260 時間削減することに成功しました。さらに、水害監視以外の交通事故・火災など幅広い災害への対応も可能になるなど、サービスのユースケースを大きく拡張しています。
本取り組みはアマゾンウェブサービスジャパン合同会社主催「生成AIコンテスト 開発実績部門」にて26社の中から1位を獲得し、Amazon Web Services ブログにも事例として掲載されました。

ビューちゃんねる(防災DX)について
当社は複数の自治体向けに、災害写真情報サービス「ビューちゃんねる(防災DX)」を提供しています。
電柱に設置した IP カメラで道路・河川の状況をほぼリアルタイムに取得し、大雨時の水害確認など災害対策に活用いただけるソリューションです。
導入効果のポイント
Amazon Bedrock の活用で実現した3つの成果
判定精度が約 45 % 向上
カメラ設置箇所ごとに最適化したプロンプトと JSON スコア応答方式の採用により、従来の自社モデルと比べて冠水判定の精度が大幅に向上しました。
年間約 260 時間のコスト削減
自社モデルの開発・学習・運用が不要になり、開発工数を年間約 260 時間削減。削減したコストはお客様への価格低減(約 40 % 減)として還元する予定です。
ユースケースの拡張
これまでの水害監視に加え、交通事故や火災などの幅広い災害監視ニーズへの対応を現在検証・開発中。生成 AI の柔軟性を活かした機能拡張が可能になりました。
生成AIコンテスト 開発実績部門 1位
アマゾンウェブサービスジャパン主催のコンテストにて26社の中から1位を獲得。アイデアの革新性・ビジネスインパクト・技術力が総合的に高く評価されました。
課題:自社モデル開発の工数が開発効率を圧迫
従来は自社開発の画像認識モデルで冠水を自動判定していましたが、以下の課題がありました。
- 学習用データ(災害時画像)の収集に多大な時間がかかる
- 精度改善のたびに機械学習の専門知識が必要で、独学での習得に時間を要する
- モデルの繰り返し学習が日々の開発工数を圧迫していた
解決策:Amazon Bedrock への置き換え
こうした課題を解決するため、生成 AI サービスへの置き換えを検討しました。複数の選択肢を比較する中で「複数モデルを簡単に切り替えられること」と「本番環境にすぐ活用できること」を評価し、Amazon Bedrock を採用しました。
マルチモーダルモデル Claude 3.5 Sonnet を用い、カメラ設置箇所ごとに最適化したプロンプトを作成することで誤検知を抑制。生成 AI のレスポンスも文章形式ではなく JSON スコア形式で返すことで、状況のトレンドをより細かく把握できるようにしました。
また、前段のイメージサーバーで増水判断に不要な領域を除去する処理を追加し、通知機能をメールに加え LINE にも対応するなど、ユーザー体験の向上も図っています。
導入効果
冠水判定の精度が従来比で約 45 % 向上しました。自社モデル開発の廃止により、開発・運用コストを年間約 260 時間削減しました。水害監視に加え、交通事故・火災など幅広い災害監視ニーズへの対応が可能になりました。削減コストをお客様へ還元することで、提供価格を約 40 % 低減できる見込みです。
外部評価
本取り組みはアマゾンウェブサービスジャパン合同会社 広域事業統括本部主催の「生成AIコンテスト 開発実績部門」にて、26社の中から1位を獲得しました。アイデアの革新性・ビジネスインパクト・実現性を含む技術力が総合的に評価されたものです。
また、2024年10月31日開催の「AWS AI Day」にてユースケース展示も実施しました。本取り組みの詳細は Amazon Web Services ブログ にも事例として掲載されています。